<炭箱> 

主材:ブラックウォールナット

炭箱です。
炭箱というのは、納屋などで保管されている炭をお茶の間やお座敷などへ小分けして持ち運ぶ為の道具で、一回で持ち運ぶのに、できるだけ多くの炭を入れることを旨として、そのもの自体は、軽さを重視した、必要最小限の強度の為の板厚でいわば簡素につくられている本当に日常の道具なのですが、今回は、お客さまのご用途が運搬ではなく、炭を入れる容器として、お部屋のインテリアとしての用途としてアレンジしています。
外観のデザインに元来、炭や炭箱と関わりの深かった囲炉裏の追っかけ框をモティーフにし、本来のものより厚手の材を用い、樹種も本来炭箱用いられていた当時には考えられない北米産のブラックウォールナットで、モダンなディテールになるように心がけながら、ボリューム感、存在感をもたせています。

仕口については、ご予算の関係もあり、意匠との費用対効果に重点を置き、特に把手部分については、丸のこ中心で加工できる相欠きでの差し込みを用いての意匠としています。
相欠き継ぎの場合、木が乾燥する際の痩せでの隙が気がかりになるところですが、ブラックウォールナットという元々が性の良い材であることと、程良い軟らかさで、強めに差し込めること、人口乾燥で含水率が若干の過乾燥なこと等、複数の条件を踏まえて、そのことについては大きな問題にならないと判断しました。

外観寸法と大まかなイメージ、樹種の選定はお客さまよりご指示をいただき、あとの詳細についてのアレンジはすべてお委せいただき、制作にあたらせていただきました。

■木の工房KAKU■
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