ちいさな工房の毎日を綴ります。
題して
「ふつうの木工家?のふつうの日々」

« 『第六回 勉強会みたいなこと……』のご案内 | メイン | 搬入手伝い »

2008年11月16日

秋の京都遠足

diary08111601.jpg

ということで、

朝から京都へ向かう。

まずは、『株式会社 興石』のショールーム。
入口のショーウィンドーで浜田先生制作のフィンユールのチーフティン5分の1のモデルに出迎えられる。

まあ、しかし噂には聞いていたが、しかしこれほどまでとは……。
なかなか見れない珍しい椅子(ハンスウェグナー自身がデザインのみならず制作も手掛けられたレアな椅子まで……)もあって、しかも、特別な椅子を除き、ほとんどの椅子には実際に座ることができる。
(ただし、目玉が飛び出る程のお値段のついた商品ですので、そのあたりはわきまえて。)
ほんとに、どれだけ見ても見足りなくて、居足りない。あっという間に時間が過ぎる。

照明を主につくっている指物部のショールームや大工さんの作業場など裏側も見せていただいたり、本当に高貴な場所を見せていただきました。

その後のコースは、大矢さんのアレンジで当初の予定と変更して、椅子張り屋さんの『村上椅子』さんの工房と、丁度、京都御所が公開されているので、そちらへ。

お昼は、大矢さんお薦めのパン屋さんでパンを買って、京都の町を歩きながら本法寺へ。
静かなお寺の軒をお借りして、昼食をいただく。

そこからもう少し歩いて、椅子張り屋さんの『村上椅子』さんの工房へ。
自分もずっと見にいきたかったところなので、本当に良い機会でした。

併設のショールームでは、古い椅子をデザインにアレンジを加えて張り替えた椅子やオリジナルチェアが展示されていて、椅子張り屋さんのお仕事の幅の広さを見せていただきました。

巻きバネを使って張った椅子
座り心地感が違ってちょっと感動。

そこから、また少し歩いて京都御所へ。
中の建物が意外にも装飾性や色使いが押さえられシンプルなことに新鮮な驚きを覚え、
雅びときらびやかの違いのようなものを知ることができ、
日本的なありかたの家具やモノのカタチとして、自分が追っていることもあながち大きくは間違っていなかったのかな、と気付かされました。

diary08111602.jpg

京都の〆は、百万遍の『進々堂』
こちらのテーブルセットは黒田辰秋、若年の作で、自分もそうでしたが、木工を志すものであれば、大抵一度は訪れる聖地のひとつだったりいたしますが、昨今のカフェブームと京都ブームで、そのことも含め一層有名になった感じがいたします。(実際、自分が初めて訪れた10年程前には、進々堂、黒田辰秋で検索にかけてもほとんどヒットしなかった記憶があります。)
自分的には、このお店を所謂、今風にCafeとひと括りにしてしまうことに違和感を感じてしまいますが、
このお店を開店された続木斉というかたが、パリのカルチェラタンのカフェの雰囲気に惹かれてこのお店をつくられたという文章を見つけ、元祖Cafeという意味では、それもあながちそんなこともないのかもしれません。
ずっと変わらずここにあって、ずっと普通に使われ続けているテーブル……。
存在感があっても主張し過ぎず……、
こういう道具をつくりたいと本当に思います。

今回のコースは、節目の年に自分のモノづくりを見つめ直す機会に、用意されていたようなコースでした。
(なんだかんだいっても、勝手に元のコースを都合よく変えた訳ですから、そうもなりましょう……。)

なんだかすっかり自分探しの旅(笑)の態におつき合いくださった参加者の皆さま、
コーディネートしてくださった大矢さん

心より感謝いたします。

京都遠足はそんなとこ。
(写真提供、『虹紙製作所』

投稿者 KAKU : 2008年11月16日 23:59

 

■木の工房KAKU■
e-mail : kaku@kinokoubou.com
All Rights Reseved,Copyright Woodwork studio KAKU

[home >>]