ちいさな工房の毎日を綴ります。
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「ふつうの木工家?のふつうの日々」

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2007年02月03日

タモの製材の見学会

午後から、広葉樹材屋さんの『服部商店』で開催された勉強会に参加させていただく。
社長さんのブログで製材の見学会があるという情報を見て。

丸太の製材について言えば、賃挽きといって、自分で丸太を持ち込んで製材していただいたり、また、杉の丸太の製材は、金山の森林組合の製材所にいた頃、毎日見ていたので、全く未見という訳ではないが、広葉樹屋さんが自社製品を挽くという、服部社長のノウハウが盛り込まれた製材を見学できる機会というのは、まずなかなか無い機会だったので、興味津々、好奇心旺盛で拝見させていただく。

材は、ロシア産タモ 4m 径640mm の丸太
まず、胴割してから、順次、板目に挽いて、芯のに近い材は柾目にと、丸太が板に挽かれていく。
都度つど、丸太の見方、製材のコツというか解説をしてくださり、このお話を伺うと、如何にこちらの製品が神経を使って製材されているか、うかがい知ることができる。

こうして、服部商店の上トロのタモのフリッチができ上がっていく。
となると、どうしても気になるのは、性分的にも仕方がないのであるが、中落ちの部分である。
今回の製材でも、中落ちというには少し勿体無い、十分に小割角になる材も、チップと一緒に仕分けされている。
丸太の目利きをされる仕入れ担当の番頭さんに伺うと、売り先がなく、乾燥させて在庫にしておくだけ損になるということで、一番良いところを、これだけ気を使って製品にされていることを思えば、ビジネスとしては、ある意味致し方ないところなのであろうし、材木屋さんとしても、心情としては泣く泣くであろうことは、こういった勉強会をされようというところからも、察せられることであるが、にしても勿体無い。

欲しかったら持っていっていいよ。と言ってくださったのではあるが、正直、つい先日事情あって材料を整理せざる得なかった身分としては、喉から手がでるほど、欲しかったが、いただいて帰ることは現実問題できないというのも、ふがいないというか、自分の至らなさに悲しくなる。
それでも、このお仕事を始めさせていただいた当初は、それこそ突き板のタネを挽いた落としや、製材の落とし、材木屋さんの半端な在庫などを引き取っては、使える順にモノに変えていった。
実際、ある程度のお仕事をさせていただくとなると、それでは到底間にあわないし、その時々必要に応じて色々な樹種を仕入れて使うということが、主になってしまっているが、そういう材に勉強させていただいたコトというのは、かなり今に繋がっていると思うし、いまでもそのいろんな木のストックが、要所々々で色味を加えてくれている。

こちらだけでなく、日本中、至るところでこのような「もったいない」があるというのは、これまでも色々見ている限り、想像に難くない。
木を使ってモノをつくるという行為をしている以上、こういう現実にも目を向けていかなくてはならないと思う。
特に商品にしなくても、サンプルや試作をつくるのにも使えることを思えば、本当にいい材だと思うので、ご希望があれば、是非、口を聞かせていただきますので、ご一報ください。

服部商店の社長さまはじめ、スタッフの皆さま、素晴らしい機会をいただきありがとうございました。

今回はあえてロシア材の問題には触れず、今日はそんなとこ。

投稿者 KAKU : 2007年02月03日 23:59

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